「ペダルって、どうやって踏むのが正しいの?」「なかなか連続して踏むのが難しい…」とそんな疑問や不安をいだいている初心者の方は多くないでしょうか。
ペダルという器具の仕組みを、きちんと理解し、2つの重要なポイントを押さえることで、体に負担のない踏み方を身に着けることが可能です。これらをきちんと押さえることで、自分の演奏の幅が大きく広がります。
この記事では、ペダルの仕組みとともに、正しい踏み方、負担なく連続して踏む演奏方法について解説していきます。
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キックペダル(フットペダル)の仕組み
キックペダル(フットペダル)は、様々な部品によって作られています。下記画像がそれぞれの名称になります。
キックペダルは、足を置く「フットボード」といわれる場所を踏むことで、「ストラップ」もしくは「ドライブ」といわれる箇所が引っ張られ、「ビーター」が動き打面に当たる、という仕組みです。また、ストラップの右側には、バネの役割の「スプリング」がついています。
その為、踏む力や踏む動きによって、ビーターの打面に当たる強さや動きも変わってきます。
それでは、具体的な踏み方や気をつける点を確認していきましょう!
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ペダルの踏み方
ペダルの踏み方は、大きく分けて「ヒールアップ」と「ヒールダウン」の2つがあります。「ヒールアップ」は、かかとを上げて踏み、「ヒールダウン」は、かかとを付けたまま、つま先を上げて踏む、踏み方です。
【ヒールアップ】
【ヒールダウン】
「ヒールアップ」は音量を出しやすいため、ロック系の音楽はもちろん、ポップ音楽など、多くのジャンルで使用されています。一方「ヒールダウン」は、音量を押さえることができるため、ジャズやボサノバといったジャンルで使用されることが多いです。
また、踏み込んだ後、打面からビーターを離す「オープン」と、打面に接着させたままの「クローズ」とがあります。「オープン」と「クローズ」は人によって奏法が分かれますが、連続してペダルを踏むときなどは、両方の要素を使うため、どちらも心得ておく必要がいります。
【オープン】
【クローズ】
今回は、より多くのジャンルで使用される「ヒールアップ」について、注意点とともに確認していきます。
ポイント1:ムチの動き
ペダルは決して、力強く踏もうとする必要はいりません。自分の体重で、十分音量は出ます。大切なのは、「ムチの動き」と「重心をブラさない」ことです。
「ムチの動き」とは、スティックを振るときにも通じる考え方です。「ムチを振ったことがある」という方は、多くはないと思います(笑)私がよくイメージするのは、映画「インディー・ジョーンズ」の主人公インディーが、ムチを使い相手を倒す場面です。
腕の力を抜き、肩から動かし指にかけて波のようにしならせ、その勢いをムチに伝えます。その時に、ゆっくりと動かしていては、勢いの波が起こらないため、スピード感が重要です。スティックを振る時もそうですが、ペダルを踏む時にもその意識です。
脚のムチの動きの流れは、以下になります。
①フットボードに足の裏全体を付ける
②かかとだけを上げる
③ひざから→かかと→つま先にかけて波を起こすようにしながら、足の裏全体でフットボードを踏む
②は、音を鳴らす直前ギリギリまで、我慢して、つま先をフットボードにつけておきます。そのことによって、より瞬発力をもって、③の動きに繋がり、いい音が出ます。
③の時は、足の裏全体で踏むため、つま先も最後少しフットボードから少し離れて、踏むイメージです。「踏もう踏もう」と力むのではなく、ほどよく脚の力を抜くことで、スピード感が出て、より良い音が出ます。
「ヒールアップ」において、人によっては「かかとをずっと上げた状態」いわゆるつま先立ちで、踏み続ける人もいます。ですが、私は足の裏全体で、踏む方法をおすすめします。
というのも、つま先だけで踏む方法に比べて、足の裏全体で踏む方が、体重をより足に乗せられるからと、体の負担が少ないからです。
例えば、皆さんの目の前に、自分と同じ背の30㎏の段ボール箱があったとします。なるべく速く5m先まで押して運びたいです。その時、皆さんなら、どのように押していきますか?
指先で、押しますか?それとも、手のひら全体を使い、押しますか?
多くの人が、手のひら全体に、体重をかけて押すと思います。もっと言えば、ある人は背中全体を段ボールにつけて、より体重をかけて勢いよく押すかもしれません。
つまり、大きな面積を使い体重をかけることで、勢いがつくとともに、モノに対して強さを伝えやすくなります。
また、人差し指一本と手のひらで段ボールを押すのとでは、どちらが手に負担がかかるでしょうか。指先だけで、30㎏を押すのは、想像しただけでもすぐ指が痛くなってしまいそうですね…(笑)
ペダルを踏む際も同じです。「ムチの動き」を意識しつつ、足の裏全体を使うことで、力を入れなくとも音量を出すことができ、脚の負担も少ないです。
ポイント2:重心をブラさない
「体の重心をブラさない」ということも非常に重要です。
というのも、ドラムは基本的に座って演奏します。座った状態で、両手両足を動かす度に、体が左右前後に動いて、体の軸がブレていては、安定した演奏ができません。
また、ドラムは連続して同じリズムを叩いているときもあれば、急に違うフレーズを叩くときもあるため、常に体が動きやすいように準備しておく必要がいります。そのため、常に重心は体の中心に置いておくことが、スムーズな演奏をするポイントになります。
ペダルを踏む際にも、重心をブラさないエクササイズをご紹介します。
①椅子に座り、実際にスティックを持ち、練習パッドなどに構えます。その状態で、左右の脚を交互に足踏みします。その時に、体が左右にぶれたり、前後に動かないようにおなかの下あたりを意識します。体の軸は左右前後に動かさず、脚だけ動かすイメージです。
②慣れてきたところで、両脚同時に脚を上げ足踏みしましょう。ドラムの演奏では、両脚を同時に動かす場面もあります。
③その後は、足踏みしながら、自由に両手のスティックを振ってみましょう。その時にも、もちろん体の軸はブレないようにします。
この一連の動きをし、両手両脚を動かしても、体の軸がブレなければ、ドラマーとしての姿勢と重心を手に入れられたといえます!
体の重心がブレていると、下記動画のように下半身を動かしたときに、上半身もつられて動いてしまいます。それだと、きちんとスティックに力を伝えることができません。
ドラムの練習をする前に、このエクササイズをすることで、体の軸を意識した状態で練習に取り組めます。
「重心」と「ムチの動き」については、以下の記事で詳しく解説しています。
https://vibesreggae.com/changeuptochangedown.html
このように、ポイントを押さえることで、よりペダルを「体に負担なく」「少しの力」で踏むことができます。
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ダブルキック
キックの演奏方法には、連続してバスドラムを鳴らす「ダブルキック」という奏法があります。
テンポの速い曲にも対応できるだけでなく、ペダルの操作技術の向上にもつながるため、身に着けておくと非常に演奏の幅が広がります。
私も、4ビートの速い「ドッタ・ドドタ」の曲をコピーする際に、たくさん練習しました(笑)
それでは、「ダブルキック」の方法を1つずつみていきましょう!
ダブルストロークと同じ
「ダブルストローク」とは、スティックのバウンドを利用して、1回のスティックの振りで2連打させる演奏方法のことです。
ダブルストロークにやり方、コツについては、以下の記事で詳しく解説しています。
https://vibesreggae.com/doublestroke.html
今回は、ダブルキックに置き換えて説明していきます。
このダブルキックは、踏み込んだ後ビーターを打面から離す「オープン」と打面に接着させる「クローズ」を連続させたものです。流れは以下になります。
①フットボードに足を置く
②ひざから→かかと→つま先にかけて波を起こすようにしながら、つま先だけで一度踏む
③踏んだ際、ビーターは「オープン」つまりバスドラムの打面に押し付けず、跳ね返らせる
④跳ね返り、持ち上がったフットボードを、今度は「かかとを落とす」イメージで踏む
このように、一連の動作は、ダブルストロークの1回のスティックの振りで2連打させるのと同じように、1回の脚の持ち上げと、下す動作で2連打させる仕組みです。
スライド奏法
ダブルキックの演奏をより、スムーズに行う方法として「スライド奏法」があります。
スライド奏法とは、上記で説明したダブルキックの流れの、③から④の動作において、足の位置をフットボードの中央から前に移動させる奏法のことです。
足の位置を変えずに2回踏む場合、足の力の方向が↓ですが、足を前にスライドさせながら踏む場合、実際にビーターが打面にあたる「前」に対して力が働きます。そのため、足の位置を動かさず踏むよりも、簡単に踏むことができます。
私も、ダブルキックを練習し始めたころは、このスライド奏法を使い演奏していました。慣れてくると、大きくスライドしなくとも、連続して踏めるようになったり、足の位置を変えずとも踏めるようになったりしてきます。はじめは、慣れるまではスライド奏法をぜひ上手く活用して、ダブルキックを習得していきましょう。
リバウンド
また、ダブルキックをする際に、身に着けたい感覚が「リバウンド」です。
リバウンドとは、ペダルを踏んだ時に、ビーターが打面に当たり跳ね返る動作です。その跳ね返る勢いを上手く利用して次の踏み込みをするのが、「ダブルキック」になります。
皆さんは、バスケットボールのドリブルをしたことがあるでしょうか。ボールを地面について、跳ね返ったボールの勢いを殺さないよう、手首を上手く使い、もう一度ボールをつく動作。この跳ね返りを足の裏でも実際に行っているのが、「ダブルキック」の動きになります。
フットボードがボールだとすれば、足の裏を手と考え、連続でつくことができれば、キックにおいてリバウンドの感覚を身に着けることができていると言えます。
このリバウンドする感覚を身に着けることで、ダブルキックはもちろん、連続したバスドラムの音も無理なく演奏することができます。リバウンドの感覚を身に着けられるよう、繰り返しキックを練習していきましょう。
始めは、ゆっくりと動作を意識しながら、一打ずつ踏んで練習してみましょう。ダブルキックは特に、速く2連打しようとして、勢いでやってしまいそうになりますが、ゆっくりとリバウンドを感じながら、練習することが上達の近道です。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。今回の内容をまとめると以下のようになります。
・ペダルは、「フットボード」を踏むとばねの役割の「スプリング」が働き、「ストラップ」が引っ張られ、「ビーター」が作動して打面にあたる
・キックするときは、「ムチの動き」と「体の重心をブラさない」こと
・ダブルキックは、「スライド奏法」を上手く利用し、「リバウンド」の感覚を身に着けること
ペダルという器具の仕組みを知ったうえで、「ムチの動き」と「体の重心をブラさない」という2つのポイントを意識しましょう。そして、リバウンドを上手く利用することで、体に無理のないキックを踏むことができます。今回の記事の内容を少しずつでも身に着けていくことで、間違いなく演奏の幅が広がっていきます。
繰り返し練習しながら、身に着けていきましょう!
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最後まで、お読み下さりありがとうございました。